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三陸道通行止めの裏に見えるもの※岩手二次日報

大船渡市の三陸道で、5月30日午後9時から翌朝6時までの夜間通行止めが実施される。対象は大船渡インターチェンジ(IC)の出入り口ランプウェイで、「伐採工事のため」とされている。通行止めの間は、国道45号への迂回が推奨されており、本線の通行は可能とのこと。代替の乗降場所として、大船渡北ICや大船渡碁石ICの利用を呼びかけている。

さて、ここからが本題だ。通行止め自体はまあいい。よくある話だ。ただ、「伐採工事」と聞いて、はいそうですかと納得できるほど、世の中おめでたくもない。最近、大船渡周辺では山火事があったばかり。タイミング良く(悪く?)その焼失地が「整地」されるというわけである。



焼け野原を整地?まさかの外資シフトか

「伐採の目的を知りたい」という指摘、もっともである。もし、山火事で焼けた山林を急ピッチで伐採し、その跡地を整備して外資に売り払う……そんな筋書きがあったとしたら?皮肉でも冗談でもなく、実際に全国で似たような話は散見されている。

地方の資源を災害と称して整理整頓し、あとは誰かが利権として刈り取る。東北、それも三陸という震災と復興のシンボルのような土地で、同じような構造が繰り返されているならば、これはもう”再開発”じゃなくて”再搾取”である。



国の姿勢には疑問しかない

そもそも、なぜこうした伐採の背景説明がないのか。なぜ「通行止めです。工事です」で済ませられるのか。国土交通省南三陸沿岸国道事務所は、国民に説明する義務があるのではないか。特に岩手県民や大船渡市民にとっては、交通情報だけでなく、地域資源や土地利用に関する透明性が重要だ。

こういった動きに「またか」と思うのは、国政の無策っぷりが骨の髄まで染み込んできているからだろう。復興を建前にしながら、実際には利権と予算の取り合い。そのツケがいつも地方に回ってくるのが日本の現状だ。





夜間通行止め、それ自体は些細な話かもしれない。でも、その裏に隠された構造と、説明なき「整地」という言葉には、もっと大きな意味がある。岩手・大船渡の人たちの目の前で進む「静かな売却」を、我々は見逃してはいけない。

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