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北上にライドシェア導入、でもそれって「解決策」なの?※岩手二次日報

岩手・北上市でタクシー会社2社(平和タクシーと安全タクシー)が、日本版ライドシェアの運行許可を取得し、7月上旬からサービス開始予定。夜間需要の増加に対応するため──とのことだが、それって本当に「対応」になっているんですかね?



ドライバー不足の本質、スルーしてない?

そもそも、この動きは夜間における「タクシー不足」の解消が狙い。市内では大規模工場建設の影響で夜間の需要が急増し、既存のタクシー体制ではパンク寸前。だから一般ドライバーを活用したライドシェアを導入──というわけですが、それ、要するに「労働条件の悪化を、外注化でごまかしてる」構図ですよね?

深夜帯(午後5時〜翌朝8時)って、まさに人が働きたがらない時間。その時間帯を「自由な働き方」でカバーしますって聞こえはいいけど、実質的には人手不足を低コストで埋めようとしてるだけ。そもそもなぜタクシー運転手が不足してるのか、国も自治体もそこを直視してない。



岩手県の事情はどうか?

下閉伊郡に続いて、県内では2例目。岩手県もついにライドシェア解禁という流れになってきたが、地方ほど交通インフラの「詰み状態」が深刻な中で、こうした“場当たり的対応”がどこまで持つのか、正直疑問です。

都市部のような利用者数も期待できない、かといって公共交通も乏しい。そういう地域でこそ、持続可能な仕組みが必要なのに、今回の対応は「とりあえず回す」以上のビジョンが見えない。



日本版ライドシェアって、なんか中途半端

そもそも「日本版」ってつけてる時点で、本家(Uberなど)とは違うルールでやってます感が出てる。タクシー会社の管理下でやる、ということで「安心感」や「既得権」も守られてるのかもしれないけど、それって単なるガラパゴス仕様では? 結局、新しいことやってる風で、誰も本気で交通問題の構造改革には手をつけていない。



国政の鈍さが地域を疲弊させる

ぶっちゃけて言えば、これは地方に丸投げしてるだけの国の怠慢の結果です。国が責任を持って地域交通の未来像を描かず、財政支援もほとんどせず、民間に「工夫してね☆」と丸投げ。そのツケを、北上市のような地域が自力で埋めようとしてる。おかしいですよ、構造的に。

ライドシェアの導入そのものは一時的な対応として理解できる部分もある。でも、それを「政策」として評価するには、根本的に志が低すぎる。





まとめます。

北上市の2社によるライドシェア導入は、現場としては“やむを得ない選択”。でも、それを「改革」だの「前進」だのと持ち上げるのは違う。むしろ、国と自治体がやるべきだった公共交通のビジョンづくりを怠ってきた結果の“しのぎ策”にすぎない。

岩手の未来の移動手段、本気で考えるなら、もっと根っこから見直さないと。

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